政府予算 government budget 2003 12 26
来年度の予算の概要が決まったそうです。
さて、この予算の査定作業に工夫が必要です。
この査定作業は、財務省の主計局の官僚が担当しています。
この作業時期は、猛烈に忙しくて、家にも帰れないほどです。
しかし、これは、自分たちで忙しくしているだけです。
子どもの小遣いを、親は、どうやって与えるでしょうか。
子どもに、予算要求をさせるでしょうか。
たとえば、
携帯電話代8230円、
お菓子代2390円、
電車賃2640円、
雑貨代1570円、
昼食代1810円、
本代2920円、
ゲーム代1160円。
こういう予算要求の中味や積算根拠を査定して、
小遣いの予算額を決定しているでしょうか。
これでは、忙しい親にとっては、たまらないでしょう。
しかし、財務省の主計局は、こういうことをやっています。
子どもに、小遣いを与える時は、
1か月2万円ならば、2万円を渡して、
足りなくなっても、その金額で、やり繰りしないと言っているはずです。
また、こんなこともやっています。
たとえば、個別に、子どもの小遣いを査定して、決定したとしても、
携帯電話代が余って、本代が足りなくなったら、
携帯電話代を流用して、本代とするでしょう。
しかし、国の予算では、こういう流用は、基本的にできません。
このように、子どもの小遣いにおいては、
弾力的に、予算を運用していますが、
なぜか、国の予算では、できなくなってしまいます。
それにしても、財務省の主計局の官僚は、日本有数の秀才が集まっています。
それなのに、このような生産性の低い作業に従事させてしまうのは、
実に残念なことです。国家的な損失と言えるでしょう。
日本有数の秀才である官僚には、
国の将来像を検討させるとか、
世界の将来像を検討させるとか、
もっと創造性のある仕事をやらせるべきです。
官僚の時代は終わった vices of bureaucracy 2003 10
30
実は、こういうことを、5年前に、官僚候補から言われたのです。
超一流大学の学生で、
国家公務員のキャリア試験に合格していた学生が、そう言ったのです。
若くて能力ある時代を、
国会対策という、ムダな時間に浪費したくないと言っていました。
どういうことかと聞けば、
国会が始まると、
若手の官僚は、国会で質問する予定の国会議員のところに行って、
事前に質問内容を聞くという作業がある。
そして、事前にわかった質問内容に対して、
担当のセクションが、大臣答弁の原案を作る。
この作業が深夜まで続く。
しかも、答弁原案の「てにをは」に膨大な時間をかける。
まるで、国語の時間のようだ。
さらに、大臣答弁なら、まだマシで、
首相答弁となると、他の省庁と、答弁案を調整する必要がある。
これでは、深夜どころか、朝まで仕事をすることになってしまう。
若くて能力のある時代を、こんなバカバカしいことに浪費したくない。
しかし、私は、思うことですが、
国会での質問に対して、答弁する能力のない人を大臣にするから、
こういう問題が起きるのであって、
官僚の作った答弁書など必要としない、能力ある人を大臣に任命すれば、
若手官僚は、国会対策などで、ムダな時間を浪費することなく、
本来の仕事に専念できると思います。
要するに、無能な人を大臣にするから、
若手官僚が、やる気をなくしているのです。
こういう問題をなくせば、また、官僚が活躍する機会があると思います。